成功事例
【1】 年商8億、負債93億のシティホテルが、蘇った非常識な方法とは?
【1】 年商8億、負債93億のシティホテルが、蘇った非常識な方法とは?
平成6年頃、名古屋市中区栄3丁目の一等地にあるプリンセスガーデンホテルが、三井信託銀行から49億円もの損害賠償請求をされていて、その対応方について、昔から懇意にしていた私のメインバンクの支店長から相談を受けたのがこのホテルを知ったきっかけでした。
このホテルが建築された1981年ごろは高度成長時代のまった只中で、当時の地価が坪当たり260万円でしたが、どんどん地価が上昇し1990年頃には坪3000万円にもなり、540坪あるホテルの敷地の価値は162億円、その他にもホテルの隣や裏にも駐車場を有しており、総額で300億円ほどの資産を保有しておりました。
然るに、ホテルの土地建物だけは、他社との共有持分となっており、単独では売ることもできずにおりました。
ところが、同じ時期にバブルの崩壊により、土地の価格が10分の1まで下落して、ホテルも最盛期は年商15億円を売り上げましたが、どんどん下落して8億円まで落ちておりました。ホテルは土地の投資でも失敗し、メインバンクからも出向として行員が入り、周りからもいつ潰れてもおかしくないと言われていました。当時のオーナーと話をするうちに、「口ではなんとでも言える。経営とは生もので、第三者とは体感温度が違うからなぁ~」と何度も言われ、しかも「本気で再建できる可能性があると思うならやってみなさいよ。」とズルズルとホテル経営に足を引きずりこまれて行きました。
私は、こうすれば再建可能だという手法やアイディアを持っていましたが、それには今まで稼いできた年収を捨てて挑まなければなりませんでした。
私が引き受けなければ、破綻が目に見えていました。
そうなると、社員の家族のことを考えると見捨てることができません。
その後、すぐに経営を引き受けましたが、給与を取れる状態ではなかったので、無給で経営を始めることにしました。
顔も見たこともない第三者からは、「沈みかけているタイタニック号に乗り込むなんて自殺行為だ」、「馬鹿な奴だ、絶対再建できない」、「有名になりたいだけだ!」と誹謗中傷を受けましたが、この時に人からの意味のない妬み、人の身、口、意によって、行われる善悪の行為の「業」というものの意味を痛感しました。
また、こうしたことを言ったり、考えたりする人ほど、成功しない人なんだということも何となく理解できたのです。 そんな中でも先の見えないホテル経営にホテルの株式を全て買って再建業務に着手することになったのです。
ところが、営業利益がプラスにするには売上を12億円以上にしなければいけません。そうなるとあっと言うようなサプライズの手法でしか再建することができません。そんな事情もあり、とても給与を取ることすらできません。
(中略)
その後、度肝を抜くような方法で、2年後には年商を12億円まで伸ばして利益がでるようになり、その後約83億もの借財を債務カットさせて見事蘇ったのです。
株式会社プリンセスガーデンホテル
代表取締役 毛利 京申